個人賠償責任保険カンタン解説

個人賠償責任保険の補償額はいくら必要!1億円で足りる?

個人賠償責任保険の補償限度額は多いに越したことはありませんが、補償限度額が多いと保険料が多くなるのが心配です。この記事では、個人賠償責任保険の補償額は実際にいくらなのかを紹介して、補償と保険料のバランスが取れた商品選びについて解説しましょう。

補償額は過去の判例を参考に決まる

個人賠償責任保険の補償額は、「個人賠償責任保険で補償される事故の判例」を参考にすべきです。というのも、三井住友海上の「ポケット保険」の個人賠償責任特約で実際に支払われる保険金は、損害賠償を請求した人に対して負担する法律上の賠償責任の額及び訴訟費用などから免責金額(5000円/1事故)を差し引いた金額だからです。

個人賠償責任保険は幅広く補償してくれる

同じく、三井住友海上の「ポケット保険」の個人賠償責任特約で補償される事故の種類は、

  • 本人の居住の用に供される住宅の所有、使用または管理に起因する偶然な事故
  • 被保険者の日常生活に起因する偶然な事故

と記載されていますが、実際には

  • 自宅の水漏れにより階下の他人の部屋を水浸しに
  • ゴルフプレー中、誤って他人にボールが当たりケガをさせた
  • 自転車で歩行者に接触し、ケガをさせた
  • 買物中、店舗に飾ってあった壺を誤って落として壊した

など日常生活で起こりがちな幅広い事故・トラブルを補償してくれます。

これまでの最高賠償金額は9521万円

ちなみに、これまで個人賠償責任保険の補償対象となった事故・トラブルで最高の賠償金額は9521万円ですので、1億円の補償限度額が付いている個人賠償責任保険に加入すれば十分かもしれません。2013年7月4日に神戸地方裁判所で出された事案で、11歳の男子小学生が夜間に自転車を運転中、歩行中の62歳の女性と正面衝突して、女性に重い後遺症が残った事故です。

加害者が小学生ですので、加害者自体には賠償責任が生じませんが、賠償責任は加害者の保護者に移りますので、賠償金の支払いを免れることは決してできません。

9521万円の高額賠償は決してレアケースではなく、他にも以下のような事案で高額の賠償命令が出ています。

賠償金額 事案の内容
9266万円 男子高校生が車道を斜め横断して、対向車線を自転車で走行していた男性会社員と衝突、男性会社員に言語機能の喪失など重大な障害が残った。
6779万円 自転車に乗った男性がペットボトルを片手にスピード落とさず走行していたところ、交差点で横断歩道を渡っていた女性と衝突、女性は3日後に死亡。
5438万円 自転車運転中の男性がスピードを落とさずに交差点に進入したところ、青信号で横断歩道を渡っていた女性と衝突、女性は11日後に死亡。
4746万円 自転車に乗った男性が信号無視をして交差点を直進し、青信号で横断歩道を渡っていた女性と衝突、女性は5日後に死亡、

いずれも被害者側に大きな落ち度はなく、加害者側に重大な過失が認められています。特に自転車事故は誰しも加害者になる可能性があり、しかも被害者は重症、最悪の場合は死亡するケースもあるのです。

被害者が若いと賠償金も高額になる傾向

事故による死亡・後遺障害・休業などで将来受け取れるはずの利益をもらえなくなることを「逸失利益」と呼びます。交通事故の賠償金には逸失利益も加味されますが、被害者が若いと逸失利益の加算額は多くなる傾向にあります。逸失利益は収入・喪失期間・後遺障害の程度のほか年齢によっても左右されるからです。

補償額が無制限の個人賠償責任保険はわずか

最近では賠償金額もインフレ傾向にありますので、個人賠償責任保険の補償限度額も無制限に越したことはありません。しかし、個人賠償責任保険が付帯している火災保険・自動車保険などで、補償額が無制限の保険はほとんどありません。

主な保険商品に付帯している個人賠償責任保険の補償限度額を、以下の表で見てみましょう。

補償限度額 商品名 保険の種類
無制限 セゾンおとなの自動車保険 個人賠償責任特約 自動車保険
損保ジャパン日本興亜 THEクルマの保険  個人賠償責任特約 自動車保険
三井住友海上 クルマの保険 家庭用日常生活賠償特約 自動車保険
3億円 あいおいニッセイ同和損保 ケガの保険 個人賠償責任特約 傷害保険
三井住友海上 ケガの保険 日常生活賠償責任特約 傷害保険
1億円 東京海上日動 からだの保険 個人賠償責任保険 傷害保険
ソニー損保 自動車保険 おてもり特約 家族型 傷害保険

現在のところ、補償限度額が無制限の保険は数えるほどしかなく、あとは1億円~3億円が補償限度額として設定されています。

ほぼ単体で加入できて最高3億円の補償があるクレジットカードもおすすめ

補償が手厚いに越したことはないが保険料が気になる人は、クレジットカードに付帯している個人賠償責任保険がおすすめです。確かに、個人賠償責任保険が無制限に補償される「セゾンおとなの自動車保険 個人賠償責任特約」は非常に魅力的ですが、本体の保険料が数万円かかりますし、そもそも車に乗らない人は加入しても意味がありません。

クレジットカードの個人賠償責任保険はほぼ単体で加入できて保険料が割安

一方、三井住友カードやエポスカードが提供している「ポケット保険」は、クレジットカードを持っていればほぼ単体で加入できます。ポケット保険は必ず加入しなければならない補償として、

  • 傷害死亡・後遺障害
  • 傷害入院・傷害通院
  • 傷害入院のみ補償

の3種類のいずれかがあり、この中で最も保険料が安いのが傷害入院のみ補償で、月額40円という割安な保険料でも傷害入院が日額500円支給されます。必ず加入しなければならない保証を選択したら、オプションとして「個人賠償責任保険」を選ぶのですが、オプション料金は個人賠償責任保険の補償限度額に応じて以下のように変わります。

傷害入院のみ補償 個人賠償責任保険の補償限度額 保険料 合計保険料
40円/月 1億円 100円/月 140円/月
2億円 110円/月 150円/月
3億円 120円/月 160円/月

3億円の補償限度額にしても月額160円の保険料ですので、手厚い補償を希望する方は月額160円で3億円の補償にするといいでしょう。

肝心のクレジットカードの年会費も無料もしくは格安

個人賠償責任保険のスペックが充実している自動車保険は、肝心の保険本体の保険料が数万円します。一方、「ポケット保険」に加入できるクレジットカードは以下のように、年会費が無料・もしくは格安です。

カード名 年会費(税別) 年会費優遇の条件
エポスカード 無料  
エポスゴールドカード 5000円 インビテーション経由の申込で年会費無料
三井住友VISAエブリプラス 無料  
三井住友VISAデビュープラス 1250円(初年度無料) 年1回利用で翌年度の年会費無料
三井住友VISAクラシックカード 1250円(初年度無料)
  • マイ・ペイすリボ登録後年1回利用で、翌年度の年会費無料
  • 年300万円以上で翌年度の年会費無料

年会費有料のクレジットカードも、年会費無料にするためのハードルはさほど高くありません。

補償限度額は1億円で十分だが多いに越したことはない

個人賠償責任保険の補償額は過去の判例をもとに決められますが、過去最高の賠償金額は9521万円ですので、1億円の補償限度額があれば十分な計算です。自動車保険や傷害保険の個人賠償責任保険は補償無制限のものもあるなど充実している代わりに、保険本体の保険料が数万円かかります。

クレジットカード付帯の個人賠償責任保険ならば、ほぼ単体で加入できるうえに保険料は月額140円~と格安、それでいて補償は1億円~3億円まで用意されていますので、入って損はありません。