個人賠償責任保険カンタン解説

個人賠償責任保険で保険金が支払われない7つの事例

個人賠償責任保険は多くの事故やトラブルに対して補償してくれ、しかも保険料も安いといいことづくめですが、保険金が支払われない場合もあります。この記事では、個人賠償責任保険で保険金が支払われない主なケースを紹介することで、想定しているリスクをカバーしてくれるかどうかの判断材料になればと思います。

個人賠償責任保険で保険金が支払われる場合

まずは個人賠償責任保険で保険金が支払われる場合ですが、三井住友カードが提供する「ポケット保険」の個人賠償責任保険によると、「保険期間中に次の偶然な事故により、他人の生命または身体を害したり、他人のものを壊したりして、法律上の損害賠償責任を負われた場合」とあります。

  • 本人の居住の用に供される住宅の所有、使用または管理に起因する偶然な事故
  • 被保険者の日常生活に起因する偶然な事故

例えば、以下のような事例で個人賠償責任保険の保険金が支払われます。

  • 自宅の水漏れで階下の住人の部屋を水浸しにした
  • ゴルフ中に誤ってカートで他人を轢いてしまいケガをさせた
  • 買物中に誤って商品にぶつかってしまい、商品を壊してしまった
  • 自転車事故を起こして、他人にケガをさせてしまった

個人賠償責任保険で保険金が支払われない事例

一方で、主に以下のような場合は個人賠償責任保険で保険金が支払われません。

その1:保険契約者または被保険者の故意による損害

保険契約者または被保険者がわざと起こした損害は、保険金の支払い対象外となります。野球で打ったボールが他人の家の窓ガラスを割ってしまった場合は対象ですが、窓ガラスを狙って石を投げて割ってしまうと、保険金の支払い対象とはなりません。

故意にケンカをして他人にケガをさせた場合も、一般的には個人賠償責任保険の対象とはなりません。ただし、子供は責任無能力者(責任を自覚できない人)とみなされており、子供同士のケンカは個人賠償責任保険の対象となります。この場合の子供年齢は、過去の判例などを見ると小学生までで、中学生になると責任能力があると判断されるようです。

その2:被保険者の業務遂行に直接起因する損害賠償責任

例えば喫茶店でアルバイト中、ミスでお客様に出すコーヒーをうっかりお客様にこぼしてしまった場合、対象とはなりません。お客様が損害賠償請求をすればアルバイトでも請求から逃れられませんが、雇用主が賠償金額の多くをカバーしてくれることが多いようです。

その3:他人から借りたり預かったりした物を壊したことによる損害賠償責任

友達から借りた携帯ゲーム機を壊してしまった場合や、友人から借りた洋服を汚してしまった場合も、個人賠償責任保険の支払いの対象とはなりません。

その4:被保険者と同居する親族に対する損害賠償責任

同居している子供が同居している祖父と遊んでいてケガをさせてしまった場合、同居している子供が同居している祖母の大事にしている花瓶を割ってしまった場合など、被保険者と同居している親族に対する事故やトラブルについても、個人賠償責任保険では対象外としています。

その5:自動車使用時の賠償

自動車の運転中に事故を起こして他人の家の塀を壊してしまった場合、自動車で通勤中に他人を轢いてしまった場合など、自動車使用による損害賠償責任については、個人賠償責任保険の対象ではありません。その場合は、自賠責保険や任意の自動車保険が補償してくれます。

その6:海外旅行中の損害賠償責任

海外旅行中、ホテルでバスタブにお湯を張っていたらそのまま寝てしまい階下を水浸しにしてしまった場合、ショッピングで商品にぶつかって商品を壊してしまった場合など、海外旅行中の損害賠償責任については、個人賠償責任保険の支払い対象外となる保険が多いです。海外旅行は「日常生活」とみなされないため、海外旅行傷害保険の「賠償責任」で補償してくれます。

その7:地震による損害賠償責任

地震が発生して自宅のブロック塀が倒壊し、隣家に損害を与えた場合など、地震に起因する損害賠償責任も、個人賠償責任保険が適用されないケースが多いです。この場合は地震保険で備えるのが一般的ですが、他の家は無事なのに自宅の塀だけ地震で倒れてしまった場合、地震が原因でなく施工業者の保守管理に原因があると考えられるため、個人賠償責任保険でも対応できる場合があります。

個人賠償責任保険の対象外でも、他の保険でカバーできる場合がある

個人賠償責任保険は幅広く補償してくれますが、万能ではありません。補償の対象外とするケースがあり、保険会社によって微妙に異なるため、まずは個人賠償責任保険の約款などを読んで確認するといいでしょう。

ただし、個人賠償責任保険で支払いの対象となっていなくても、自動車運転中の事故は自動車保険や自賠責保険で、地震による損害は地震保険で、海外旅行中のトラブルは海外旅行傷害保険でカバーできますので、これらの保険にも加入して万全の備えをすることをおすすめします。