個人賠償責任保険カンタン解説

仕事中は個人賠償責任保険の対象外なので注意!個人事業主でもダメ

仕事中の事故で相手に被害を与えてしまうと補償の必要がありますが、故人が起こした事故・トラブルの補償で便利な保険といえば、個人賠償責任保険です。果たして個人賠償責任保険で仕事中の事故を補償してくれるのか、仕事中に起こりうる事故や取りうる対策なども合わせて紹介します。

仕事中の事故は個人賠償責任保険の対象外

結論から言えば、仕事中の事故は個人賠償責任保険の補償対象ではありません。例えば、三井住友カードやエポスカードにセットできる三井住友海上の「ポケット保険」では、「被保険者の業務遂行に直接起因する損害賠償責任(仕事上の損害賠償責任)」を補償対象外としています。他の個人賠償責任保険でも、仕事中の事故は補償の対象とはしていません。

企業や団体に雇用されているサラリーマン・パート・アルバイトだけでなく、個人事業主も例外ではなく、個人事業主が仕事中に起こした事故も個人賠償責任保険の対象外となります。

仕事中に起こりうる事故、その一例を紹介!

では、仕事中に起こりうる事故にはどのようなものがあるのか、一例を紹介しましょう。

  • インストラクターによるスキーの講習中に生徒がけがをした
  • 研磨機を使っての作業中に誤って指を巻き込んでケガをした
  • 作業員の操作ミスでクレーンが吊り上げている資材にぶつかってケガをした
  • 社用車で取引先に向かう途中に事故を起こした
  • 転勤に伴う引っ越し中に事故にあってケガをした
  • 罠による狩猟を行なっていたら他人にケガをさせた

ざっと挙げただけでもこれだけあります。作業中の事故などは思い浮かびますが、転勤に伴う引っ越し中のケガまで仕事中の事故とみなされるのは、考えが及びません。しかし、これらの事故はいずれも個人賠償責任保険の対象外です。

自転車通勤中の事故は補償対象となる

ただし、自転車通勤中の事故については、個人賠償責任保険の補償対象となります。通勤は仕事中ではないため、個人賠償責任保険の補償対象外となる「被保険者の業務遂行に直接起因する損害賠償責任(仕事上の損害賠償責任)」には該当しません。

仮にこれが自動車通勤であれば、個人賠償責任保険の補償対象外となる「自動車等の車両(ゴルフ場敷地内におけるゴルフカートを除きます)、船舶、航空機、銃器、業務のために使用する動産または不動産の所有、使用または管理に起因する損害賠償責任」に該当して補償されませんが、自転車であれば補償されます。

仕事中の事故は専用の保険で備えよう

仕事中の事故に関しては、専用の保険で備えるのが最も確実です。

一般的な会社は「労災保険」で備えよう

一般的な会社で起こりうる事故では、「労災保険」が重宝します。原則としてすべての会社が加入している保険で、仕事中に事故を起こすと国から保険金が給付されるだけでなく、労災指定病院を最初から受診すれば自分で費用を立て替える必要もありません。

社用車には「事業用の自動車保険」

社用車を多く抱える会社は、事業用の自動車保険を付けるのがいいでしょう。一般的な自動車保険と比較して、

  • 台数が多いほど割引率が大きい
  • 無事故割引の率が高い
  • 複数台の保険証券を1枚にできて手続きを簡素化
  • 補償相手を従業員・顧客にも拡大

などのメリットがあります。

スキーのインストラクターには「スキー補償制度」

スキーのインストラクター向けには、公益財団法人全日本スキー連盟の「スキー補償制度」があります。年1300円~の保険料で最高2億円(免責1万円)の補償を受けられます。ただし、スノーモービル運転中の事故など、一部対象外のケースもありますので、注意してください。

ハンターには「ハンター保険」

ハンターは鳥獣保護法第58条3項の定めるところにより、3000万円以上の損害賠償が可能である必要があり、手持ちのお金がない場合は3000万円以上の補償をしてくれる猟友会の共済保険と民間損保会社のハンター保険に加入しなければなりません。罠のみか猟銃も使うかによって保険料は異なりますが、合わせて年3000円~4500円程度です。

仕事中の事故は様々、まずは起こりうる事故を考えよう

どんな仕事をしているかによって、仕事中に起こりうる事故は様々です。スキーのインストラクターは生徒の事故、ハンターは罠や猟銃による他人への損害、作業機械や重機を使用している人は操作ミス・運転ミスによる事故が考えられます。

仕事の種類によって専用の保険が用意されており、個人賠償責任保険よりもはるかに補償が手厚くなっていますので、チェックしてみてください。